優しい夏の風の歌

サンタモニカの風ーーー。1日を通して、静かに、けれどドラマティックに表情を変えていく。

早朝はとりわけ、気持ちがいい。
寝静まっていた木々の細胞が覚醒し、いろいろな色の緑の香りがブレンドされていく。
パームツリー、モンステラ、アガベ、サボテン・・・。
鳥の声が耳に新鮮で、ここにある全ての命と同調している事が無条件に嬉しくなる。
海と空と緑と自分自身とのとてもインティメイトな静かな時間。
とても静かに、穏やかに、でも、フツフツと身体の中から生命力のようなものが掻き立てられる感覚。

太陽が少しずつ登るにつれて、朝の空気は、急速に乾燥していく。
カラリとした風は、乾いた中にも海の塩の粒子が含まれていて、身体いっぱいに吸い込むと

細胞にミネラルが染み込んでいく。長年の東京生活で退化した自然への飢餓感が湧いてくる。

日中は、暑い。容赦無く太陽が照り続け、その中で、ここにいる人たちは、仕事をしたり、遊んだり、笑ったり、愛したりすることに忙しい。乾いたアスファルトの匂いや人の営みの様々な香りが混在し、汗もかき、いろいろな感情が浮遊する。

陽が沈むのは、この頃8時半頃。真っ青だった空が鮮やかすぎる燃える様なオレンジ色になるのに、そう時間はかからない。太陽が沈むにつれ、気温が下がり、少し冷たい風が今日もいろいろあった出来事や感情や人の営みを一気に癒していく時間。ここにいるどれだけの人が、頬に少し冷たい空気を感じて、癒されていると感じているのだろう?

あまりにも日常すぎて、そんなことにはおかまい無しかもしれないけれど、けれどきっと夕日のグラデーションを目にする時には、どんな人もふと我に帰り、今日という日がリセットされていくに違いない。

借りていた部屋は、ビーチから20分。少し高台にあったせいで、風通しもよく、エアコンなんて必要なくぐっすりと眠れた。あたりが暗くなって、熱い砂浜の気温が急激に下がる頃、待ち構えていた様に、虫たちの合唱がはじまる。まだ鳴り止まない虫の声を心地よく聞きながら、深いベッドに身を沈めると、開けっ放しの窓から流れ込む風と一緒に薄いカーテンが部屋の中を舞い、風がベッドの上の体にベールの様に軽く流れていく。何度かそんな気持ちの良い空気を感じていると、眠りに落ちて、星空に自分の体が吸い込まれていく。
空と星と風と自分の境界線がわからなくなる。

自分の肌と空気の境目さえも・・・わからない...同じ。

「そう、皆同じなんだね。一緒なんだね...」とつらつらと夢の中で納得している自分。

「え?今更わかったの?」とからかっている風。

言葉なんてどうでもよくなってくる。
言葉よりも感じることにどれだけの豊かさがあるのかを感じさせてくれる。
そんな言葉にならない魅力に誘われて、人はこの土地を目指して住みたいと思うのかもしれない。





コスミック・ライフ・ラボ

働く人のビジネススタイルにフォーカスし、 ボディー(体)、マインド(心)とスピリット(精神) のバランスを保ちつつ、 より良いパフォーマンスを出すための サポートを行っています。 未来に向けての、私たちのあり方を考え、研究し、 個人セッション、セミナー、ワークショップ、イベントを通して 有用な方法や情報を発信しています。

0コメント

  • 1000 / 1000